寒いと膝が痛いのはなぜ?仕組みを知って事前に対策を
天気が悪かったり寒かったりすると、膝が痛くなるという方は多いのではないでしょうか。
膝が痛い理由はさまざまですが、天候や心身の状態、生活習慣などさまざまな影響で痛みが強くなったり弱くなったりします。
膝は、歩くときや立ち上がるときなど頻繁に使うので、原因に対処しつつ、できるだけ痛みをうまくコントロールしたいところですよね。
しかし、天候で痛みが強くなるのを完全に防ぐことはできません。
ただ、普段の生活を見直すことで、天候の変化による影響を抑えることは可能です。
膝の痛みに悩まされない生活をおくるためにも、天候による変化にしっかり対応していきましょう。
ここでは、天候の変化によって膝が痛くなる理由と具体的な対策法についてご紹介します。
低気圧で膝が痛む理由
台風のたびに身体の調子が悪くなるという方は多いのではないでしょうか。
これは、台風による不調ではなく、低気圧による不調です。
低気圧の場所では、雨雲や台風が発生しやすくなります。
8~9月にかけて低気圧の場所が増えて台風の頻度も増加するため、それに伴い頻繁に膝が痛むようになるのです。
低気圧は、身体にさまざまな悪影響を及ぼすと考えられています。
まずは、気圧の概要を確認していきましょう。
袋に入ったお菓子を気圧が低い場所へ持って行くと、袋が膨らみます。
低気圧ではない場所にある密閉された袋は、気圧によって押さえつけられているのですが、気圧が低くなると押さえつける力が弱くなり、袋が膨張するのです。
このような現象が人の身体にも起きているため、さまざまな不調が現れるようになります。
血管や関節包などが膨らみ、その周りにある神経や血管を圧迫します。
その結果、血流が低下して関節痛や片頭痛を引き起こすのです。
さらに、細胞が膨らむことでヒスタミンという成分が放出され、いつも以上に痛みを感じやすくなります。
膝の痛みの他にも、片頭痛や全身の倦怠感など、さまざまな不調を引き起こします。
低気圧によって不調を感じている方は、症状に応じて対策が必要です。
膝が痛むときの対策方法
膝が痛い場合は、低気圧による影響を防ぎつつ、膝への負担を軽くすることが大切です。
膝の状態に問題がない方は、低気圧の環境でも膝が痛むことはありません。
少なくとも、強い痛みが起こることはないでしょう。
低気圧で膝が痛むのは、普段から膝に負担をかけていることが要因となっているのです。
そのため、膝への負担を減らしつつ、低気圧による膝への影響を防ぐ必要があります。
膝関節には、全身の体重の負担がかかります。
特に、階段の昇り降りの際には大きな負担がかかるのです。
そのため、肥満傾向がある方はダイエットで体重を減らすことが大切です。
また、膝関節を支える筋肉が衰えている場合も膝関節への負担が大きくなります。
普段から車移動が多く、エスカレーターやエレベーターばかり使っている方は、少しでも運動することを心がけましょう。
そして、正座のような膝関節への負担が大きくなる座り方や、足に合っていない靴、ハイヒールなどをはくことは避けたほうが無難です。
加齢は膝関節への負担を大きくする要因となります。
これは、加齢によって日々の活動量が低下し、体重が増えたり筋肉が衰えたりするためです。
歳だから仕方がないと思うのではなく、少しでも膝関節への負担を減らすようにしましょう。
また、普段から身体を温めたりマッサージをしたりすることも膝関節の痛みの緩和に役立ちます。
天気の影響を受けにくくするには
天気による身体への影響を少なくするためには、自律神経のバランスを整えることが必要です。
自律神経には、活動時に優位になる交感神経と、休息時に優位になる副交感神経があります。
この2つの神経がうまく切り替わることによって、あらゆる変化に適応できるようになるのです。
自律神経のバランスを整えるために、次のようなことを心がけましょう。
規則正しい生活
人の身体には、体内時計が備わっています。
体内時計は、朝起きてから浴びた太陽によってリセットされるため、朝起きたら部屋に太陽の光を取り入れることが大切です。
そして、夜更かしや寝坊を避けるようにしましょう。
入浴
入浴には、血管を拡張したり発汗を促したりする効果が期待できます。
身体に強い変化が起こり、交感神経と副交感神経の両方がしっかり働くようになるのです。
そのため、1日1回は湯船にゆっくり浸かることが大切です。
適度な運動
適度な運動によって交感神経が活発になります。
運動後はリラックスして休息するため、その際に副交感が優位になります。
このように、交感神経と副交感神経の切り替えを習慣づけることで、普段から自律神経のバランスが整いやすくなるのです。
まとめ
低気圧のときは、どうしても身体の調子が悪くなります。
仕方のないことと言えますが、天候の影響を抑えることは可能です。
規則正しい生活や入浴、適度な運動などを心がけ、自律神経のバランスを整えるようにしましょう。
残業で寝るのが遅くなるという方は、入浴や適度な運動に力を入れるなど、ライフスタイルに合わせて対処していくことが大切です。
低気圧は年中通して起こるものなので、天候の変化に影響を感じにくい身体づくりを心がけましょう。
また、膝関節への負担を増やす運動不足や肥満などに注意し、必要に応じて対策することをおすすめします。
天候による影響を抑え、膝関節への負担を減らすことで、低気圧によって膝が痛くなるのを防げるでしょう。
監修専門家プロフィール
みやざわ整骨院院長 宮澤大助
東京都大田区池上でみやざわ整骨院を開業。ゴルフ、野球、サッカー、相撲、マラソン、水泳の多種分野のアスリートが主に来院。数多くのトップアスリートを治療し、コンディショントレーニングをサポート。代替医療分野で「東久邇宮記念賞」を受賞。
http://www.tgc-d.com/miyazawa.html
記事の参考URL
http://www.ronenbyo.or.jp/hospital/tiikiriha/rehacolumn/rehacolumn_02.pdf
https://style.nikkei.com/article/DGXKZO88513720V20C15A6W13001?channel=DF140920160919
http://www.kameda.com/patient/topic/rehawalk/08/index.html
医療・美容ライター。これまでの執筆本数は9,000本以上に昇る。正確でわかりやすい記事が医師からも好評。
ムダ毛や体臭などのお悩み解決記事から疾患の説明記事まで幅広く執筆。
正しい知識を広めるために、医療・美容の情報をわかりやすくお伝えします。
-
前の記事
中高年に多い膝の痛み。軟骨のすり減りはなぜ起こる? 2018.09.17
-
次の記事
腰が痛いときの簡単ストレッチ方法とは?慢性的な腰痛を緩和しよう 2018.09.20