辛い股関節の痛み…考えられる原因は?
重い物を持ったときや激しいスポーツをした後に、股関節が痛くなった経験のある方は多いのではないでしょうか。
単なる痛みではなく、若い女性にもみられる変形性股関節症のような病気の可能性もあります。
股関節の痛みの原因が日常に隠れている場合、原因を突き止めなければ症状が悪化していきます。
股関節の痛みは、筋肉と関節の異常のいずれかによって引き起こされています。
両股関節の痛みの特徴を確認しておき、必要に応じて医療機関を受診しましょう。
さまざまな症例があるので、自己判断は禁物です。
股関節の痛みの原因が判明したら、医療機関で治療を受けつつ、自宅でケアを続けることが大切です。
ここでは、股関節の痛みを引き起こす原因と自宅でのケア方法についてご紹介します。
筋肉の異常が原因になっている股関節の痛み
股関節は、太ももと骨盤で構成されています。
太ももの骨の端は丸くなっており、骨盤のくぼみにはまるようになっています。
そして、周りの筋肉によって前後左右などさまざまな方向へ動かせるようになるのです。
股関節だけではなく、すべての関節は回りの筋肉によって負荷が軽減されています。
筋肉が衰えていると、関節に負担がかかり、痛みや腫れなどの症状が現れるようになるのです。
股関節の周りの筋肉が衰えていると、重い荷物を持ったり激しいスポーツをしたりしたときに、股関節に大きな負担がかかります。
股関節の痛みによって歩いたり立ったりすることが難しくなると、生活に支障をきたします。
このような場合は、安静にして股関節への負担を抑えることが大切です。
しかし、過度な安静は筋力の低下を招くため、股関節の痛みを悪化させかねません。
そのため、適度に動くようにした方がいいでしょう。
股関節の筋肉は、若い女性でも衰えている場合があります。
特に、デスクワークをしている方や専業主婦で運動量が少ない方は、股関節だけではなく全身の筋肉が衰えやすいため注意が必要です。
関節の異常が原因になっている股関節の痛み
股関節の痛みで注意すべきは、関節の異常が原因になっているケースです。
太ももの端と骨盤のくぼみの部分を覆う軟骨がすり減ることで、その下にある骨が露出し、変形してしまう場合があります。
これは変形性股関節症といい、高齢者の方によくみられます。
一次性変形性股関節症と二次性変形性股関節症があり、後者は女性に多くみられることが特徴です。
一次性状変形性股関節症
原因不明の変形性股関節症で、次第に骨が変形していきます。
二次性変形性股関節症
生まれつき、股関節が脱臼していたり、股関節が十分に育たなかったりすることで起こります。
変形性股関節症は、数ヶ月のうちに急速に悪化するケースもあるため、できるだけ早く治療を始めなければなりません。
一般的には、非常にゆっくりと進行していくため、変形性股関節症だと気づくことが困難です。
また、免疫の異常が原因の関節リウマチにも注意が必要です。
関節に炎症が起こり、痛いために立ったり座ったりする動作に影響が及びます。
放置するとひじや肩などの関節へと炎症が広がっていくため、できるだけ早く治療を始めなければなりません。
自分で痛みを和らげるためにできること
関節に原因がある場合は、医療機関で治療を受けましょう。
下手糞なセルフケアは悪化につながるため、十分に注意が必要です。
筋肉に原因がある場合は、ストレッチやウォーキングを無理のない範囲で行うことで、痛みが和らぐ可能性があります。
ただし、痛みが和らいで症状が安定してから行いましょう。
ストレッチ
床にひざで立ち、片方の足を前に出します。
足を直角に曲げ、床に両手をついた状態でゆっくり前かがみになりましょう。
同時に、脚のつけ根を伸ばしてください。
深呼吸しながら30秒かけて行います。
ウォーキング
30分~1時間程度のウォーキングを習慣づけるのがおすすめです。
コンクリートのような硬いところではなく、芝や土の上を歩きましょう。
途中で痛みを感じた場合は、無理をせずに日を改めてくださいね。
また、運動については股関節の状態だけではなく、体力や他の病気の状態などによって調節しなければなりません。
主治医のアドバイスに従って行いましょう。
辛い股関節痛を早く改善するために、医療機関で治療を受けつつ自宅でもケアすることが大切です。
間違った方法や強度で行うと症状が悪化する恐れがあるため、十分に注意しましょう。
まとめ
股関節が痛むと、立ったり座ったりするなど日常的な動作に支障をきたします。
階段の昇り降り、ボールを蹴るといった動作も難しくなるでしょう。
股関節の痛みの原因は、筋肉や関節の異常です。
このうち関節の異常の場合は、早めに医療機関で治療を受けなければなりません。
放置すると症状が悪化して、人工関節置換術のような手術が必要になる可能性があります。
筋肉の異常が原因の場合は、医療機関で治療を受けながら、ウォーキングやストレッチなどのセルフケアを続けましょう。
股関節の痛みは、すぐに改善することはできません。
原因を取り除き、薬による治療を続ける必要があります。
できるだけ早く治療を始めて股関節の痛みを解消し、快適な日常を取り戻しましょう。
監修専門家プロフィール
みやざわ整骨院院長 宮澤大助
東京都大田区池上でみやざわ整骨院を開業。ゴルフ、野球、サッカー、相撲、マラソン、水泳の多種分野のアスリートが主に来院。数多くのトップアスリートを治療し、コンディショントレーニングをサポート。代替医療分野で「東久邇宮記念賞」を受賞。
http://www.tgc-d.com/miyazawa.html
記事の参考URL
http://www.stryker.co.jp/health/hip-oa/
https://www.secom.co.jp/otona/health/no26_1606.html
医療・美容ライター。これまでの執筆本数は9,000本以上に昇る。正確でわかりやすい記事が医師からも好評。
ムダ毛や体臭などのお悩み解決記事から疾患の説明記事まで幅広く執筆。
正しい知識を広めるために、医療・美容の情報をわかりやすくお伝えします。
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