膝が痛いと思ったらロコモの兆候!中高年女性は必見の予防方法
加齢によって、身体のさまざまなところに問題が起きるようになったという方もいるでしょう。
中でも、膝の痛みは身近なものと思っている中高年の女性は多いのではないでしょうか。
確かに、加齢によって膝の痛みは起こりやすくなる傾向があります。
しかし、膝が痛いということは、膝関節に炎症などが起きている可能性があるのです。
そのまま放置すると、ロコモと呼ばれる状態になり、回復が難しくなるかもしれません。
できるだけ早く膝関節の異常に気づき、対処することが大切です。
また、普段からロコモを防ぐために対策するようにしましょう。
しかし、どのように対処すればロコモを防げるのかわかりませんよね。
そこで、今回はロコモの概要やメカニズム、予防法について詳しくご紹介します。
ロコモとは
ロコモは、正式名称をロコモティブシンドロームといい、運動器症候群を指します。
運動器が障害されることで結果的に筋肉の萎縮が進み、介護が必要になるリスクが高い状態です。
全身のあらゆる関節に起こり得るもので、それぞれの関節の病気が原因でロコモになります。
膝だけではなく、腰や股関節などにも起こる可能性があります。
関節を動かさない理由としては、関節を動かすと痛むことが挙げられます。
膝の場合は、中高年になると起こりやすい変形性膝関節症による痛みが原因になる可能性があります。
変形性膝関節症によって膝に痛みが起こり、自分で歩くことが難しくなっている方は、ロコモになりやすいといえるでしょう。
膝は、太ももの骨とすねの骨、膝のお皿で構成されています。
太ももの骨とすねの骨は、関節軟骨や半月板などによってお互いがぶつからないようになっています。
しかし、長年にわたって体重を支え続けることで関節軟骨や半月板がすり減り、軟骨のかけらが関節包と呼ばれる部分の内側にある滑膜を刺激して炎症を引き起こします。
こうして膝関節に痛みが起きた状態を変形性膝関節症といいます。
変形性膝関節症は、放置するとロコモにつながりますが、早めに治療を開始すれば予防が可能です。
ロコモで膝が痛む理由
ロコモによって膝に痛みが起きているのではなく、ロコモにつながる病気によって痛みが起きています。
変形性膝関節症などによって痛みが起きていると、トイレに行ったり入浴したりといった日常生活に支障をきたす場合があります。
そうなると、身体の筋肉を使う機会が著しく少なくなり、筋肉が萎縮していってしまうのです。
筋肉の萎縮は筋力の低下を意味します。
そのため、変形性膝関節症による膝の痛みはロコモへとつながりがちです。
なお、ロコモは変形性膝関節症以外の病気でも起こり得ます。
筋肉の萎縮が進むほどの運動不足によって引き起こされるため、痛みや関節を動かせる範囲が狭くなる関節リウマチによっても起こり得るのです。
さらに、膝の病気を抱えていなかったとしても、加齢によって身体機能は衰えるため、活動が少なくなってロコモへとつながる可能性があります。
ロコモにつながり得る病気を早期発見するために、膝の症状にいち早く気づくことが大切です。
膝に負荷をかけたときに痛みやこわばりを感じたり、膝を伸ばしたり曲げたりしづらい場合には、変形性膝関節症の可能性があります。
ロコモの予防方法
関節リウマチのような病気を予防することは難しいですが、運動不足によるロコモを防ぐことは可能です。
運動を習慣づけることで身体機能の低下を抑え、筋肉の萎縮を防げるでしょう。
どのような運動が適しているかは、その人の年齢や身体の状態によって異なるので、専門家に相談することをおすすめします。
身体機能に問題がないのであれば、太ももの前側の筋肉を鍛えるハーフスクワットや脚上げ体操がよいでしょう。
脚上げ体操は、椅子に浅く座った状態で脚を伸ばし、そのまま約10センチメートル上げて、そのまま5秒間キープします。
すべてゆっくり行い、20~30回1セットを1日3セット行いましょう。
また、普段から行いやすい有酸素運動もおすすめです。
ウォーキングや軽い水泳のように、激しすぎない運動を継続的に行うことがポイント。
なお、ウォーキングはとても軽い運動に思えるかもしれません。
しかし、階段の昇り降りや坂道を歩くのは膝への負担が大きいため、無理しないように注意が必要です。
また、運動を永遠に続ける必要があると考えると、長く続けることが難しくなります。
そのため、1ヶ月を目標に続けるなど、短いスパンで目標を決めることが大切です。
次は3ヶ月続ける、半年続けるなど、目標を延ばしていきましょう。
まとめ
膝が痛いと思ったら、変形性膝関節症や関節リウマチ、加齢に伴う運動機能の低下などを疑いましょう。
膝が痛いために著しい運動不足になると、筋肉が萎縮してロコモになってしまう可能性があります。
そうなると、生活への支障が大きくなるため、できるだけ早く膝の痛みを解消させることが大切です。
普段から運動を習慣づけておくことで、筋力の低下を防げる可能性があります。
ただし、変形性膝関節症は膝関節への継続的な負担によって引き起こされるため、膝に大きな負担をかけるような運動は禁物です。
大切なことは、できるだけロコモのリスクを下げることと、膝に痛みやこわばりが起きたときにすぐ病院やクリニックを受診することです。
しっかり対策して、ロコモのリスクを下げましょう。
監修専門家プロフィール
みやざわ整骨院院長 宮澤大助
東京都大田区池上でみやざわ整骨院を開業。ゴルフ、野球、サッカー、相撲、マラソン、水泳の多種分野のアスリートが主に来院。数多くのトップアスリートを治療し、コンディショントレーニングをサポート。代替医療分野で「東久邇宮記念賞」を受賞。
http://www.tgc-d.com/miyazawa.html
記事の参考URL
https://kufura.jp/beauty_health/woman-body/10875
http://www.jcoa.gr.jp/locomo/teigi.html
http://www.paramount.co.jp/learn/topics/detail/7
医療・美容ライター。これまでの執筆本数は9,000本以上に昇る。正確でわかりやすい記事が医師からも好評。
ムダ毛や体臭などのお悩み解決記事から疾患の説明記事まで幅広く執筆。
正しい知識を広めるために、医療・美容の情報をわかりやすくお伝えします。
-
前の記事
膝痛を放置するのは危険!変形性膝関節症の進行と予防法 2018.09.14
-
次の記事
中高年に多い膝の痛み。軟骨のすり減りはなぜ起こる? 2018.09.17