これって病気?筋肉痛が全然治らない原因と痛みをやわらげる方法
運動後に筋肉の痛みを感じる方は多いのではないでしょうか。
普段からあまり運動していない方が運動すると、筋肉痛が起こる場合があります。
運動不足でなかったとしても、筋力トレーニングをした後は筋肉痛が起こるでしょう。
このように、筋肉痛は身近な症状といえますが、なかなか症状がやわらがない場合は注意が必要です。
何らかの病気の可能性もあるので、筋肉痛が長く続く場合は医療機関を受診しましょう。
強い筋肉痛が起きている間は、階段の昇り降りや歩行など日常的な動作に支障をきたすケースがあります。
また、運動を習慣づけている場合は、できるだけ早く筋肉痛を解消したいですよね。
そこで、今回は筋肉痛が治らない原因と痛みをやわらげる方法について詳しくご紹介します。
筋肉痛になる仕組み
筋肉痛とは、運動によって起こる筋肉の痛みの総称です。
筋肉痛になるタイミングは、運動の数時間後から2日後までとされていますが個人差があります。
普段から運動をしていれば筋肉痛は起こりにくいのですが、運動不足の方が急激な運動をすると、つらい筋肉痛に襲われてしまうでしょう。
筋肉痛のメカニズムは完全には解明されていません。
従来では、運動時に生産される乳酸という物質が溜まることで筋肉痛が起こるとされていました。
現在では、運動による負荷によってダメージを受けた筋線維を修復する際に起こるものとされています。
この説に基づいた筋肉痛が起こる仕組みは次のとおりです。
- 普段から使われていない筋肉に大きな負荷がかかることで、筋肉を構成している筋線維や、その周りにある組織が傷つきます。
- 筋線維を修復するために、血液の成分が集まります。そうすると、筋線維に炎症が起こり、同時にヒスタミンやプロスタグランジンといった刺激物質が生産されます。
- 刺激物質によって筋肉を包む筋膜が刺激され、痛みを感じます。
このような仕組みであるため、筋線維が傷つかなければ筋肉痛は起こらないと考えられています。
筋肉痛が1週間以上治らない場合
筋肉痛が治まるまでにかかる日数には個人差がありますが、1週間以上経っても治らない場合には、医師の診察を受けた方がよいでしょう。
筋肉痛を伴う何らかの病気の可能性があります。
筋肉痛が長く続く場合に考えられる病気は次のとおりです。
1.皮膚筋炎
皮膚筋炎は、本来細菌やウイルスなどの外敵から身体を守るはずの免疫機能が、何らかの理由で筋肉や皮膚を攻撃して炎症を引き起こす病気です。
身体の中心に近いところの筋肉に症状が現れやすいことが特徴です。
また、筋肉痛だけではなく、筋力の低下や赤い発疹などを伴います。
2.血管炎
血管の壁に免疫細胞が炎症を引き起こす病気です。
血管に炎症が起こると、その周辺の組織へと十分に栄養を供給できなくなり、筋肉痛やしびれなどの症状が現れます。
その他、発熱の持続、体重減少、頭皮の痛みなどさまざまな症状が現れることがあります。
3.リウマチ性多発筋痛症
突然、太ももや背中、首などの筋肉が痛くなる病気です。
リウマチとは違い、関節ではなく筋肉を中心に痛みが起こります。
寝返りをうてないほどに強い痛みが現れることが特徴です。
症状だけで原因を知ることは難しいので、筋肉痛が1週間以上続いたり、他に特徴的な症状が現れたりした場合は医療機関を受診しましょう。
筋肉痛の痛みをやわらげるためのマッサージ
筋肉が傷ついているために筋肉痛が起きている理論が正しければ、マッサージはしてはいけないことになります。
マッサージには血行促進の効果が期待できます。
血流がよくなると炎症が強くなり、返って痛みが増してしまうでしょう。
そのため、筋肉痛が起きて間もない頃は患部を冷やして炎症を抑えることが大切です。
筋肉痛が起きて3日程度が経過すれば炎症はかなり緩和されているため、このタイミングでマッサージをするとよいでしょう。
血流が促されることで、筋繊維の修復が早まり、痛みもやわらぐ可能性があります。
マッサージの際には、円滑剤としてクリームやゲルを塗りましょう。
そして、力はあまり入れないように、ゆっくりとマッサージしてください。
筋肉痛の際のマッサージは、方法を間違えると炎症を強める可能性があります。
そのため、スポーツマッサージを得意とする専門家に相談したうえでマッサージをした方がよいでしょう。
あるいは、マッサージは専門家にしてもらい、セルフマッサージは避けてください。
セルフマッサージをするのであれば、筋肉の痛みが増していないか確認しながら、慎重に行うことが大切です。
まとめ
筋肉痛の現れ方には個人差があります。
筋肉痛が現れてから1週間が経過してもまったく痛みがやわらがない場合には、一度医療機関を受診した方がよいでしょう。
長く続く筋肉痛は、何らかの病気の症状として現れている可能性があります。
発熱や体重減少、皮膚の発疹など他にもさまざまな症状が現れた場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
また、筋肉痛のメカニズムは完全には解明されておらず、筋膜の炎症が原因だとした場合、筋肉痛が起きてすぐはマッサージをしてはいけないことになります。
筋肉痛が起きてから3日後ぐらい経ってからマッサージしましょう。
また、マッサージは筋肉痛をやわらげる可能性がありますが、間違った方法で行うと逆効果になります。
スポーツマッサージを得意とする専門家の施術を受けるのも視野に入れましょう。
筋肉痛をうまくコントロールして、生活に支障をきたさないようにしたいですね。
監修専門家プロフィール
みやざわ整骨院院長 宮澤大助
東京都大田区池上でみやざわ整骨院を開業。ゴルフ、野球、サッカー、相撲、マラソン、水泳の多種分野のアスリートが主に来院。数多くのトップアスリートを治療し、コンディショントレーニングをサポート。代替医療分野で「東久邇宮記念賞」を受賞。
http://www.tgc-d.com/miyazawa.html
記事の参考URL
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/39_kinnikutsu/
https://yasuraguseitai.com/blog/kinnikutuu
医療・美容ライター。これまでの執筆本数は9,000本以上に昇る。正確でわかりやすい記事が医師からも好評。
ムダ毛や体臭などのお悩み解決記事から疾患の説明記事まで幅広く執筆。
正しい知識を広めるために、医療・美容の情報をわかりやすくお伝えします。
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