日常に支障をきたすひどい筋肉痛…病院は何科にいくべき?
運動後の肉体に訪れる、やっかいな筋肉痛。
歩行するのもつらく、日常生活を送るのも困難に感じることもあるものです。
筋肉痛は、ふだん使わない筋肉を使ったり、日頃の運動よりも負荷の掛かる運動をしたりした際に起こります。
使い慣れていない筋肉を使うと筋繊維に傷が入ってしまうため、運動を行う以上、筋肉痛を完全に防ぐことはできません。
傷ついた筋繊維が修復されることで、筋肉は強くなっていくものなのです。
特効薬があるわけでもなく、基本は時間薬になりますが、ただじっと耐え忍ぶのはつらいもの。
また、あまりにも症状が重い場合は、対処療法をした方がよいケースもあります。
そこで、今回は筋肉痛の早期回復のためにできること、痛みがひどい場合の病院の受診についてご紹介します。
ひどすぎる筋肉痛なら整形外科へ
筋肉痛には、「即発性筋肉痛」と「遅発性筋肉痛」の2種類があります。
ほとんどの場合が、筋肉を使ったあと、時間差で表れる「遅発性筋肉痛」です。
メカニズムが完全にわかっているわけではありませんが、現在有効とされているのは、運動により損傷した筋繊維を修復する際に、生成される刺激物質により引き起こされているとする説です。
遅発性筋肉痛は、炎症が治まると自然と痛みも和らいでいくのが基本です。
多くの場合が24~48時間の間に痛みが発生、ピークを迎え、72時間以内に消えていきます。
この期間内に軽減していくのであれば、病院を受診する必要はないでしょう。
病院の受診が必要になるのは、ケガの可能性がある痛みを感じる場合です。
この痛みは、その多くが運動中、運動直後から痛み始めるのが特徴。
さらに、時間が経過するにつれピークを迎え収束していく遅発性筋肉痛と異なり、どんどん痛みが強まっていく傾向があります。
このような筋肉痛を感じる場合は、時間とともに症状が悪化する可能性が高いため、無理せず整形外科を受診しましょう。
ひどい筋肉痛は湿布薬と鎮痛剤で対策することになる
整形外科では、「ただの筋肉痛なのか」「肉離れを起こしていないか」といったことを診て、適切な治療を行っていきます。
ケガではないと判断された場合であっても、生活に支障をきたすほど痛みがひどい場合は、痛みを軽減させる薬を処方してもらえますよ。
筋肉痛に処方される薬は、湿布薬と鎮痛剤。筋肉痛は筋繊維が炎症を起こすことにより引き起こされているため、炎症を早く抑えることで痛みを和らげることができます。
また、ビタミンB1を含む内服薬を補助的に服用するのもいい、とされています。
ビタミンB1は筋繊維の回復を促す栄養素なので、痛みの軽減に役立つわけですね。
ロキソニンなど、一般的な鎮痛剤が処方されることもありますが、痛み止めの過度な服用は控えましょう。
回復に必要な生体反応も抑えてしまうのが理由です。
医師の指示に従って服用するようにしてください。
湿布薬は、段階に応じて適したものが異なります。
炎症が起きている最中に貼付するのは、いわゆる「冷湿布」と呼ばれるもの。
一方、炎症が治まり、回復期に入ったあとに使用する湿布薬は「温湿布」と呼ばれるものです。
こちらも、処方時の説明に従い、適切に貼付するようにしましょう。
治りを早めるために自分でできること
筋肉痛の痛みの回復を早くするために大切なことは、「運動前後のストレッチ」「運動直後のアイシング」「ストレッチ」「入浴」「質の高い睡眠」です。
運動後、筋肉痛が起こるまでの間は、できる限り炎症を悪化させないことが、筋肉痛軽減につながります。
そのため、酷使した部位にアイシングをして冷却させることが有効なのです。
アイシングは、氷のうやタオルに氷や保冷剤を包んだものを、10~20分程度筋肉に押し当てて行います。
軽いマッサージを加えてもよいでしょう。
市販の冷却スプレーを使用する方法もありますよ。
血行をよくすることも筋肉痛の軽減・改善のために有効な対策法。
そのためにできることが、ストレッチや入浴です。
ただし、筋肉の炎症が起きている間は、湯船に浸かるのは控えます。
患部を温めることで、かえって炎症が悪化してしまうのを避けるためです。
また、炎症が落ち着いたあとであっても、お湯の温度はぬるめに設定しましょう。
こちらも、熱いお湯に浸かると、炎症がぶり返してしまう可能性があるためです。
意外だと思われるかもしれない対策方法が、「睡眠」です。
損傷した筋繊維は、睡眠中に出る成長ホルモンによって修復されていきます。
特に重要なタイミングが、深い眠りであるノンレム睡眠。
できるだけ早く痛みから回復したければ、熟睡できるように心がけたいものです。
まとめ
基本的には、薬に頼らずとも回復できる筋肉痛。
しかし、なかには筋肉痛ではなくケガが原因となって痛みが生じている場合もあります。
痛みの発生時期・持続・痛みの強さの変化に意識を向け、おかしいと感じたら整形外科を受診してくださいね。
処方された薬は、医師・薬剤師の指導のもと、適切に使用することが大切です。
筋肉痛から早期に回復するためには、自分の心がけも大切なこと。
運動前後には入念にウォーミングアップ、クールダウンのためのストレッチを行い、血流をよくしておきましょう。
運動後、熱を持っていればアイシングを行い、良質な睡眠を取るのが賢明です。
筋肉痛がやってきたあとは、ぬるいお湯に浸かって血流をよくし、回復を加速させるサポートを行いましょう。
こうした簡単なことを実践することで、ひどい筋肉痛から早く解放されますよ。
監修専門家プロフィール
みやざわ整骨院院長 宮澤大助
東京都大田区池上でみやざわ整骨院を開業。ゴルフ、野球、サッカー、相撲、マラソン、水泳の多種分野のアスリートが主に来院。数多くのトップアスリートを治療し、コンディショントレーニングをサポート。代替医療分野で「東久邇宮記念賞」を受賞。
http://www.tgc-d.com/miyazawa.html
記事の参考URL
https://www.meiwa-hospital.com/outpatient/outpatient-qa.html
http://4mama-life.hatenablog.com/entry/2018/06/13/212521
さいたま市在住。幼少期からの「書くことが好き」が講じてフリーライターに。
コラム記事から店舗・病院・企業への取材・インタビュー記事まで幅広く執筆している。
販売員をしていたインテリア雑貨店で扱っていた、日常をちょっぴり楽しくさせる入浴剤・アロマ・ケア用品が好き。
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