腰が痛いときに疑う病気|ぎっくり腰の症状と引き起こす原因
急に腰に強い痛みが走り動けなくなった場合は、ぎっくり腰の可能性があります。
ぎっくり腰の正式名称は急性腰痛や腰椎捻挫などです。
ぎっくり腰の名前の由来は諸説ありますが、「ぎくっ」という音がしたかのような強い痛みが走ることから、こう名付けられたといわれています。
また、西洋では「魔女の一撃」という表現をされていたこともあるほどに、ぎっくり腰は強い痛みが走るのです。
ぎっくり腰になると動けなくなるため、できるだけ早く解消したいですよね。
ここで注意したいことは、自己流の間違ったケアをしないようにすることです。
間違ったケアはぎっくり腰の悪化を招き、治るまでの期間が延びてしまいます。
そこで、今回は適切なケアを受けられるように、ぎっくり腰の症状や原因、治療法、自宅でのケアなどについて詳しくご紹介します。
ぎっくり腰の代表的な症状
ぎっくり腰は、重い物を持ちあげたり腰をひねったりしたときに、耐えがたい痛みが現れることが特徴です。
身体を伸ばしたときや何も動いていないときでも起こる場合があります。
このように、特にきっかけなくぎっくり腰になる場合もあるため、何が起きたのかわからず、驚いてしまうこともあるでしょう。
ぎっくり腰による痛みで歩けなくなることも少なくありません。
姿勢によっては痛みがやわらぎますが、少しでも姿勢を替えようとすると激しく痛むため、生活や仕事に大きな支障をきたします。
そのまま、トイレや入浴などにも支障をきたすこともあるため、できるだけ早く治したいですよね。
痛みは数日から数週間程度かけてやわらいでいきますが、慢性化によって弱い痛みが続くことが少なくありません。
長時間の歩行やデスクワーク、中腰や猫背など腰に負担をかけることで痛みが強くなり、再び生活や仕事に支障をきたすようになることもあるのです。
そのため、ぎっくり腰をした後の症状の変化に応じて適切に対処することが大切です。
また、単なるぎっくり腰ではなく、腰椎すべり症や腰椎椎間板ヘルニアなどの病気の可能性もあるため、自己判断せずに医療機関で検査を受けましょう。
ぎっくり腰になってしまう原因
ぎっくり腰がなぜ痛いのかというと、腰を構成する腰椎、椎間板、関節や筋肉などさまざまなところにダメージが及んでいるためです。
これらの組織に大きな負荷をかけるような行動がぎっくり腰の原因といえるでしょう。
中腰は、体重の約1.5倍もの負荷を腰にかけるといわれています。
負荷をかけるときには筋肉が支えるため、腰椎や椎間板に大きな負担はかかりません。
しかし、筋肉が体重を支える準備ができていないタイミングで負担をかけると、腰椎や椎間板などの組織に大きな負担がかかるのです。
その結果、組織が損傷してぎっくり腰が起こるというわけです。
筋肉で支えきれないような重い物を持つなど、急激な負担をかけることでぎっくり腰が起こります。
また、筋肉で支えられる重さであっても、持続的に負担がかかり続けると、ぎっくり腰になることがあるのです。
中腰の姿勢になって物を取ろうとしたとき、椅子から立ち上がろうとしたときなどに起こるので、急に動かず慎重に動くなどすれば、ぎっくり腰を防げる可能性があります。
ぎっくり腰の予防として、腰まわりの筋肉を鍛えることも有効でしょう。
しかし、それでもぎっくり腰を防げるとは限らないため、症状が現れたときに適切に対処することが大切です。
ぎっくり腰の痛みをやわらげるには
ぎっくり腰が起きたら、できるだけ安静に過ごしましょう。
強い炎症が起きているため、無理に動くと炎症が強くなってしまいます。
それだけ治るまでの期間が延びてしまうため、生活や仕事への支障が大きくなります。
数日間は安静に過ごし、歩けるようになってから医療機関を受診しましょう。
炎症が強いときに受診したからといって、必ずしも早く治るとは限りません。
炎症が起きているところを冷やすことが効果的です。
ビニール袋に氷水を入れたものを患部に当てましょう。
15~20分程度は冷やし続け、休憩してから再び冷やします。
炎症が抑えられるとともに痛みの感覚が麻痺することで、ぎっくり腰のつらい症状をやわらげられます。
逆に、温めてしまうと炎症が強くなるので注意しましょう。
歩けるようになったら医療機関で治療を受け、痛みをしっかりコントロールすることが大切です。
医療機関では、次のような治療を行います。
鎮痛薬
鎮痛成分が含まれた湿布を貼ったり、鎮痛薬を内服したりします。
コルセットを巻く
コルセットを巻くことで、腰への負担を軽減し、痛みをコントロールします。
神経ブロック療法
医療機関によっては、神経ブロック療法を行います。
神経を麻痺させることで痛みをコントロールします。
急性期から慢性期へと移ったら、今度は腰を温めるようにしましょう。
また、ストレッチやマッサージなども効果的とされています。
いずれも医師の指示に従って行うことが大切です。
まとめ
ぎっくり腰は珍しい病気ではありません。
腰痛と無縁だと思っていても、何気ない動作がきっかけとなり激痛が起こります。
その場に倒れ込み、起き上がれなくなることも少なくありません。
しかし、そのまま激痛が長く続くわけではなく、数日から数週間で改善へと向かいます。
ぎっくり腰ではなく、腰椎すべり症や腰椎椎間板ヘルニアなどの病気の可能性もあるため、痛みが落ち着いたら医療機関で検査を受けましょう。
症状に合わせて適切な処置を受けることで、比較的早く普段の生活や仕事に戻れるようになります。
急性期に温めたり慢性期に冷やしたりすると、症状が悪化する可能性があります。
医療機関で治療を受けるとともに、自宅での過ごし方についてアドバイスを受けて、指示通りに過ごすようにしましょう。
監修専門家プロフィール
みやざわ整骨院院長 宮澤大助
東京都大田区池上でみやざわ整骨院を開業。ゴルフ、野球、サッカー、相撲、マラソン、水泳の多種分野のアスリートが主に来院。数多くのトップアスリートを治療し、コンディショントレーニングをサポート。代替医療分野で「東久邇宮記念賞」を受賞。
http://www.tgc-d.com/miyazawa.html
記事の参考URL
https://sub-kokoro.ssl-lolipop.jp/backache-2.html
https://www.unayamaseikei.com/strained-back/
http://www.bufferin.net/navi/back/
医療・美容ライター。これまでの執筆本数は9,000本以上に昇る。正確でわかりやすい記事が医師からも好評。
ムダ毛や体臭などのお悩み解決記事から疾患の説明記事まで幅広く執筆。
正しい知識を広めるために、医療・美容の情報をわかりやすくお伝えします。
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