腰が痛いときに疑う病気|変形性腰椎症の症状と引き起こす原因
「何も重いものを持っていないときでも腰が痛む」「だんだんお尻や太ももの裏側にまで痛みが広がってきた」といった場合には、変形性腰椎症など何らかの病気の可能性があります。
腰の痛みは生活に支障をきたすこともあるので、できるだけ早めに治したいですよね。
そのまま放置すると、身体を真っすぐにすることができなくなることもあります。
腰の病気については、自己判断ができないので、早めに医療機関を受診することが大切です。
しかし、「単なる腰痛だろう」と思い、自己流のケアをしたり放置したりして、症状を悪化させることも少なくありません。
そこで、今回は医療機関を受診するきっかけとなるように、変形性腰椎症の症状や原因、治療法などについて詳しくご紹介します。
変形性腰椎症の代表的な症状
変形性腰椎症の代償的な症状は腰痛です。
朝起きてベッドや布団から起き上がるなど、その日初めて動いたときに強い痛みが現れ、動いていると自然に軽減していくことが特徴です。
また、前かがみの姿勢や直立など同じ姿勢を長時間続けることによっても、痛みが強くなります。
痛みは腰部全体に感じることもあれば、身体の中心を通る棘突起(きょくとっき)という骨組織の周りや、脊柱の両側にある傍脊柱筋(ほうせきちゅうきん)にだけ現れることもあるなどさまざまです。
また、お尻や太ももの裏までも痛むことがあり、なかでもお尻には高い頻度で症状が現れます。
変形性腰椎症を放置すると、加齢や腰への負担の影響により、変形が強くなっていきます。
すると、腰痛によって姿勢を正すことができなくなり、身体が側方や後方に曲がってしまいます。
さらに、神経が通っている脊柱管が狭くなり、腰痛の他にも脚のしびれや痛みなどの症状が現れるようになるのです。
加齢による影響は避けられませんが、腰に負担をかける習慣の改善や医療機関で治療を受けることで、進行を抑えられる可能性があります。
腰痛が起きた場合は、原因を突き止めるためにも医療機関を受診しましょう。
変形性腰椎症になってしまう原因
腰部の神経が通っている5つの腰椎は、椎間板というクッションのような役割を果たす組織によって連結されています。
変形性腰椎症は、この椎間板がダメージを受けることで厚みが減り、クッション機能を十分に果たせなくなることで発症します。
クッション機能が低下した椎間板に接している骨は、やがて異常に硬くなり、骨の組織がトゲのような形に増殖するのです。
その結果、椎間板の後方にある椎間板節にまでダメージが及びます。
変形性腰椎症の主な原因は加齢です。
加齢とともに椎間板の水分が失われることで、クッション機能が低下していきます。
また、重い荷物を持つなど腰に大きな負担をかけることが習慣づいていると、若くても椎間板が損傷し、変形性腰椎症を発症する可能性があります。
腰に負担をかける原因としては、重い荷物を持つことの他、激しいスポーツや肉体労働によって腰の筋肉を使いすぎたことなどが挙げられます。
また、前かがみや直立した姿勢を続けることも腰の筋肉に負担をかける行為なので注意が必要です。
姿勢を正すことを心がけるだけでも、変形性腰椎症のリスクを抑えられる可能性があります。
変形性腰椎症の痛みをやわらげるには
変形性腰椎症は、痛みによって仕事や生活に支障をきたす可能性があります。
そのため、早い段階で治療を開始し、生活の質を落とさないようにすることが大切です。
変形性腰椎症を根本から治療することはできないため、次のような方法で痛みをコントロールすることが治療方針となっています。
薬の外用と内服
変形性腰椎症では炎症によって痛みが起きているため、消炎鎮痛剤を使用します。
痛い場合は必ず使用して症状をコントロールすることが大切です。
神経ブロック
薬だけでは痛みを十分に抑えられない場合には、神経ブロックという痛みを遮断する注射をすることがあります。
温熱療法
温めて血行を促すことで、痛みを緩和できる可能性があります。
理学療法
変形性腰椎症の悪化や姿勢の保ちやすさなどを改善するために、マッサージや体操などを行います。
このような治療を受けなくても、安静にしていれば痛みは治まることが多いとされています。
しかし、自己判断でケアをしたり放置したりすると、悪化する可能性があるため、一度は医療機関を受診することが大切です。
なお、手術が必要になるケースはほとんどないといわれています。
まとめ
変形性腰椎症は、加齢や腰への負担によってリスクが高まるため、普段から腰に負担をかけないようにしておきましょう。
症状が進行すると身体が側方や後方に傾き、生活に支障をきたすようになる可能性があります。
腰に痛みを感じたら、安静に過ごしましょう。
そして、医療機関を受診して腰痛の原因を突き止めることが大切です。
医師や理学療法士の指示に従って治療を受けることで、痛みやしびれなどが改善する可能性があります。
自己流のケアは症状の悪化を招く可能性があるので注意しましょう。
変形性腰椎症は、椎間板ヘルニアなどとは違い、手術が必要となるケースはほとんどないといわれています。
手術することにならないか心配して受診をためらう必要はありません。
早めに医療機関を受診して、治療を始めましょう。
監修専門家プロフィール
みやざわ整骨院院長 宮澤大助
東京都大田区池上でみやざわ整骨院を開業。ゴルフ、野球、サッカー、相撲、マラソン、水泳の多種分野のアスリートが主に来院。数多くのトップアスリートを治療し、コンディショントレーニングをサポート。代替医療分野で「東久邇宮記念賞」を受賞。
http://www.tgc-d.com/miyazawa.html
記事の参考URL
https://www.asahi.co.jp/hospital/archive/kaisyo/youtsu/henkei/
http://www.neurospine.jp/original27.html
https://takeda-kenko.jp/navi/tsukare/youtsuu/cause.html
https://health.goo.ne.jp/medical/109B0500
医療・美容ライター。これまでの執筆本数は9,000本以上に昇る。正確でわかりやすい記事が医師からも好評。
ムダ毛や体臭などのお悩み解決記事から疾患の説明記事まで幅広く執筆。
正しい知識を広めるために、医療・美容の情報をわかりやすくお伝えします。
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