このエントリーをはてなブックマークに追加

膝が痛いときに疑う病気|偽痛風の症状と引き起こす原因

膝が痛いときに疑う病気|偽痛風の症状と引き起こす原因

膝や肘、首などの関節が急に痛くなった、動かしにくくなったといった場合には、偽痛風や痛風、関節リウマチなどさまざまな病気が疑われます。

この中でも偽痛風は、突然強い痛みが起こることが特徴です。

しかし、そのときの症状だけで偽痛風かどうか判断することはできません。

 

間違った対処をしたり、そのまま放置したりすると、関節が変形する可能性もあります。

適切に対処するために、偽痛風の症状や原因、治療法などについて確認しておきましょう。

また、偽痛風かどうか調べるためには、病院を受診し、必要に応じて検査を受けなければなりません。

関節の症状は、生活に支障をきたすこともあるので、しっかり対処したいですね。

ここでは、偽痛風について詳しくご紹介します。

 

偽痛風の代表的な症状

偽痛風は、痛風と似た症状が現れることから、そう名付けられました。

痛風は、尿酸の結晶によって引き起こされる関節炎ですが、偽痛風は尿酸以外の結晶によって引き起こされます。

突然、関節やその周りが赤く腫れたり強い痛みを感じたりして、動かすことが難しくなります。

 

痛風も偽痛風と同じような症状が現れますが、症状が現れる前兆のようなものを感じ取れることや、放置すると痛みが強くなっていく点が偽痛風と異なります。

なお、偽痛風の痛みの強さは、痛風よりも軽いことが多い傾向です。

痛風は足の親指の付け根に起こることが多いのに対し、偽痛風は膝や手首、足首、肘、指、首など場所を問わず起こります。

ただし、複数箇所に症状が現れるケースは少なく、特定の部位にのみ症状が現れることが多いようです。

 

首の偽痛風は、首を動かせなくなるケースもあり、単なる寝違えと勘違いする可能性があります。

寝違えもしばらくは首の関節が動きにくくなるため、放置してしまう原因となります。

症状の持続期間は、炎症の強さなどによって異なりますが、2日~1週間程度で症状が落ち着くことが多い傾向です。

関節リウマチに症状が似ているため、簡単に自己判断するのではなく、必ず病院を受診しましょう。

 

偽痛風になってしまう原因

痛風は、ピロリ菌カルシウム二水和物の結晶によって引き起こされることが多いといわれています。

なぜ、関節にこのような結晶ができるのかは詳しくわかっていませんが、結晶は次のような人ができやすいとされています。

  • 痛風にかかっている
  • 関節が損傷している
  • 血液に含まれるマグネシウムの濃度が異常に低い
  • 組織に含まれる鉄の濃度が異常に高い
  • タンパク質がさまざまな臓器に溜まっている

しかしながら、偽痛風にかかった人の大半には、このような特徴がみられないため注意が必要です。

また、遺伝との関係性が疑われています。

ちなみに、カルシウムの結晶は変形性関節症の方に頻繁にみられますが、メカニズムについては詳しくわかっていません。

 

また、痛風はアルコールや食事が大きく影響していますが、偽痛風は生活習慣とほとんど関係ないといわれています。

そのため、偽痛風は予防できません。

偽痛風の症状が現れたときに、病院を受診して治療を受けるなど、適切に対処することが大切です。

しかしながら、頻繁に繰り返したり、症状が長く続いたりすることはほとんどないため、痛風と比べて心身への影響は少なくて済みます。

 

偽痛風の痛みをやわらげるには

偽痛風の炎症が長く続くと、痛いために生活に支障をきたすだけではなく、関節が変化する可能性があります。

そのため、強い炎症を抑えるための治療を受けることが大切です。

薬物療法で炎症を抑え、その後は関節の機能の低下を防ぐために筋力を高める訓練や、関節を動かせる範囲を狭くならないようにする訓練などを行います。

 

薬物療法では、次のような薬を使用します。

非ステロイド系抗炎症薬

ステロイド剤ではない炎症を抑える薬を使用し、偽痛風によって起きている炎症を抑えます。

コルヒチン

偽痛風の新たな発作を抑えることを目的として、コルヒチンという薬を使用します。連日、内服することがあります。

コルチコステロイドの注射

炎症を抑えるコルチコステロイドを患部に注射する場合があります。

それにより、炎症が速やかに抑えられ、痛みや腫れなどの軽減が期待できます。

 

その他、必要に応じて過剰な関節液を排出させる処置を行うこともあります。

どの治療を受けるかは、診察を受けなければわかりません。

なお、偽痛風は、問題なく完治することも多いのですが、一部の方は関節の損傷が持続することがあります。

 

まとめ

偽痛風の原因は詳しくわかっておらず、予防法もないといわれています。

そのため、突然強い痛みが現れたり、関節の動きが悪くなったりした場合に、しっかり対処することが大切です。

薬で炎症を抑えることで、痛みをやわらげられるだけではなく、骨の破壊を抑えることができるでしょう。

偽痛風と痛風は症状が似ていますが、原因や症状の現れ方などさまざまな点に違いがみられます。

 

いずれにしても炎症が起きていることに変わりはないので、まずは病院を受診して原因を突き止めましょう。

また、受診前に自己流のケアはしないことが大切です。

もし、炎症が強くなってしまえば、治癒にかかる期間が延びてしまったり、関節に大きな負担がかかったりする可能性があります。

後遺症を残さないためにも、適切に対処しましょう。

監修専門家プロフィール


 みやざわ整骨院院長 宮澤大助

東京都大田区池上でみやざわ整骨院を開業。ゴルフ、野球、サッカー、相撲、マラソン、水泳の多種分野のアスリートが主に来院。数多くのトップアスリートを治療し、コンディショントレーニングをサポート。代替医療分野で「東久邇宮記念賞」を受賞。

http://www.tgc-d.com/miyazawa.html


 

 

記事の参考URL

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/08-%E9%AA%A8%E3%80%81%E9%96%A2%E7%AF%80%E3%80%81%E7%AD%8B%E8%82%89%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E7%97%9B%E9%A2%A8%E3%81%A8%E5%81%BD%E7%97%9B%E9%A2%A8/%E5%81%BD%E7%97%9B%E9%A2%A8

https://www.kakogawa.hyogo.med.or.jp/memo/no-188-%E3%80%8C%E5%81%BD%E7%97%9B%E9%A2%A8%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%80%8D