大人でも発症!アトピーの原因と改善方法
アトピー性皮膚炎とは、慢性的にかゆみを伴う湿疹が起こる皮膚疾患のことです。
皮膚の乾燥によりバリア機能が落ちたところへ、外部刺激やアレルギー反応がプラスされることで生じるものと考えられています。
幼児から子どもに多く、自分自身はアトピーではなくとも、子ども時代にアトピー性皮膚炎だった人が周囲にいた経験を持っている方は多いのではないでしょうか。
子どもの皮膚疾患だと思われがちだったアトピー性皮膚炎ですが、現代では大人になっても治らない人や、大人になってから発症する人が増加しています。
厚生労働省が2016年2月に発表した資料「アレルギー疾患の現状等」によると、20~30代の大人でも9%がアトピー性皮膚炎であることがわかっているのです。
この記事では、大人のアトピーについて、原因と対策・改善方法をご紹介します。
大人になってからアトピーを発症する原因
アトピー性皮膚炎の発症原因は、食べものやダニといったアレルゲンが大半とされています。
子どもに対し、大人のアトピー性皮膚炎は化学物質や食品添加物、ハウスダストや紫外線といった外的な刺激が原因となって引き起こされていることが多い傾向です。
昔よりも大人の発症が増えている背景には、環境や食生活の変化、ステロイド剤の不適切な使用などが挙げられますが、はっきりとした原因はわかっていません。
もともと、アトピー性皮膚炎が発症するには、「アトピー素因」と呼ばれる遺伝的な体質が関係しています。
アトピー素因を持つ人は、アトピー性皮膚炎だけではなく、気管支喘息やアレルギー性鼻炎、結膜炎といったアレルギー疾患になりやすい体質であるのが特徴です。
ただし、アトピー素因を持っている人がすべてアトピー性皮膚炎になるわけではありません。
大人の場合、引き起こす背景として多いのが精神的ストレスです。
受験や仕事といったストレスが増加するときに発疹が悪化し、解消されればよくなるケースも多く見られます。免疫機能が衰えているときに発症するケースもあります。
もともとアトピーになりやすい体質の人が睡眠不足やバランスの悪い食生活を送り続けていると、アトピーを発症するケースが多いのです。
定番のアトピー改善方法①肌の保湿
アトピー性皮膚炎の人の肌は、カサカサと乾燥しているのが特徴です。
これは、大人であっても変わりません。
肌の乾燥はかゆみにつながり、かいてしまうと症状がさらに悪化してしまいます。
そのため、アトピー性皮膚炎を改善させるには、徹底した保湿ケアが重要なのです。
ステロイド外用薬で症状が治まったように見えても、保湿ケアを怠っているとすぐにぶり返してしまいます。
肌のバリア機能を維持するためにも、症状の有無を問わず、保湿ケアは習慣化させることが大切です。
保湿ケアは1日2度繰り返します。風呂上がりはもちろん、起床時にも塗布しましょう。
保湿剤を塗る際のポイントは、皮膚表面にたっぷりと乗せるように塗ること。
すりこまないようにしましょう。
湿疹がすでに出ている部分は皮膚表面がデコボコしているため、すりこむように塗ると湿疹の出っ張った部分に保湿剤がつかないためです。
保湿剤には「ローションタイプ」「クリームタイプ」「軟膏タイプ」の3種類があります。
季節ごとに使い分けるほか、皮膚の状態に応じて使い分けてもよいでしょう。
皮膚科医の指示があれば、そちらに従うようにしてくださいね。
定番のアトピー改善方法②生活習慣を整える
大人のアトピー性皮膚炎は、生活習慣の悪化によるものが原因の一つです。
そのため、いくら肌へのケアを行ったとしても、引き起こしている生活習慣を改善させなければ、何度も悪化を繰り返してしまう可能性があります。
入浴、スキンケア
まず、大切なことは皮膚の清潔を保つことです。
汗をかいたらこまめにふき取り、毎日シャワーや入浴で汗や汚れを洗い流しましょう。
石鹸は刺激の少ないものを選びます。高温の湯に浸かるとかゆみが増すため、かゆみが出ている場合はぬるめの湯に浸かりましょう。
シャワーで済ますこともおすすめです。
タオルや肌着はやわらかい素材のものを選び、タオルドライをする際は、不用意にこすらないように気をつけましょう。
食生活
規則正しく食べ、栄養バランスにも気を配りましょう。
室内環境
ダニやホコリ、ペットの毛はアレルゲンの一つ。
こまめに掃除を行うことが大切です。
ベッド周りの清潔感にも気を配りましょう。
室内の空気が乾燥している場合は、適切に加湿を行います。
ストレス解消、睡眠不足
リフレッシュを心がけ、ストレスをため込まないようにしましょう。
睡眠不足は免疫機能の低下につながります。
規則正しい生活を心がけたいものです。
まとめ
現代では、多くの日本人が何かしらのアレルギーを抱えています。
そのため、大人になったあともアトピー性皮膚炎を発症する可能性はあると思っておいていいでしょう。
特に自分自身が子どもの頃にアトピー性皮膚炎であったり、家族や親戚にアトピー性皮膚炎の人がいたりする場合はなおさらです。
大人のアトピー性皮膚炎は、生活習慣によっても症状の度合いが大きく異なります。
症状がいったん出てしまうと改善させるまでに時間がかかることもあるため、気をつけられるものは日頃から対策しておきたいものですね。
かき壊してしまうと、症状が悪化してしまい、治るまでに時間もかかってしまいます。
発疹が出たりかゆみを感じ始めたりしたら、早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けることも大切です。
記事の参考URL
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/sukoyaka/43/medical/medical03.html
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10905100-Kenkoukyoku-Ganshippeitaisakuka/0000111693.pdf
http://www.tokushima.med.or.jp/kenmin/doctorcolumn/hc/847-115
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa1/q02.html
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/sukoyaka/43/medical/pdf/No43_basic_words.pdf
さいたま市在住。幼少期からの「書くことが好き」が講じてフリーライターに。
コラム記事から店舗・病院・企業への取材・インタビュー記事まで幅広く執筆している。
販売員をしていたインテリア雑貨店で扱っていた、日常をちょっぴり楽しくさせる入浴剤・アロマ・ケア用品が好き。
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