「股関節が痛い、歩けない」股関節を痛める人が増加中?その原因は?
股関節が痛い、歩けないと悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
股関節の痛みは、日常生活の影響で起こります。
また、変形性股関節症などの病気で起こることもあるため注意が必要です。
股関節が痛むと、下半身を動かす度に痛みが起こり、何気ない動作にも支障をきたしてしまいます。
まずは、病院で詳しい検査を受け、股関節の痛みの原因を把握することが大切です。
また、股関節の痛みを放置すると進行し、やがて安静にしていても痛みが起こるようになります。
進行すればするほどに改善が難しくなるため、できるだけ早く治療を始めましょう。
また、近年では股関節を痛める人が増えてきているともいわれているため、他人事ではありません。
それでは、股関節の痛みが増えてきている原因や股関節の痛みを伴う病気、痛みを防ぐ方法などをみていきましょう。
股関節を痛める人が増えている?
股関節の痛みの原因の1つである変形性股関節症は、増えてきているといわれています。
変形性股関節症は加齢をきっかけに痛みが起こる病気ですが、根本的な原因は股関節の発育不全や脱臼です。
日本人は、股関節の脱臼や発育不全が起きていることが多いため、変形性股関節症は身近な病気だといえます。
変形性股関節症の方は、骨盤の骨と太ももの骨をつなぐ臼蓋(きゅうがい)という部分が骨頭に対して小さく、軟骨がすり減りやすくなっています。
臼蓋は、骨頭を覆うようについているのですが、骨頭よりも小さいと十分に覆うことができません。
その結果、体重による軟骨への負担が大きくなり、すり減りやすくなるのです。
軟骨が失われると、その下にある骨が露出し、骨同士がぶつかり合うことで凹凸ができます。
その一部は硬くなり、変形性股関節症となるのです。
また、原因不明の軟骨のすり減りによる変形性股関節症もあります。
骨の変形が進行すると、安静時にも痛みが起こるようになります。
まれに、数ヶ月で急激に悪化することもあるため、早めに診断を受け、適切な治療と生活上でのアドバイスを受けることが大切です。
股関節が痛いときに考えられる病気
股関節の痛みを伴う病気には、変形性股関節症の他に関節リウマチや大腿骨骨頭壊死症があります。
関節リウマチの詳しい原因はわかっていませんが、関節に痛みや腫れを伴う炎症が起こります。
次第に股関節を伸ばせなくなり、日常生活に支障をきたすようになります。
薬で炎症を抑える他、運動やリハビリなどで状態の悪化を防ぐ治療を行います。
大腿骨骨頭壊死症は、骨の先端部分である骨頭へと血液を送る大体動脈や静脈に問題が起こり、血行障害が起きたために骨が壊死する病気です。
多くの場合、原因不明ですが、アルコール摂取量が多い人やステロイド剤を大量に使用している人などにみられる傾向があります。
関節リウマチや大腿骨骨頭壊死症は、自宅で運動や筋力トレーニングをしたところで改善は期待できません。
それどころか症状が悪化する恐れもあります。
そのため、医師の指示に従って適切な治療を受けることが大切です。
いずれも進行性の病気であるため、我慢できる程度だからといって放置してはいけません。
日常生活に支障をきたすようになる前に治療を始めましょう。
歩けない状態になる前に予防する方法
変形性股関節症や関節リウマチなどの病気は、医師の指示に従って治療を受ける必要があります。
また、病気の状態によっては、筋肉を増やすためにストレッチや筋力トレーニングをすることが大切です。
医師のアドバイスに従って、適切な方法で筋力トレーニングをしましょう。
股関節周辺の筋肉を鍛えることで、筋力の低下による関節痛を抑えられます。
次のようなストレッチや筋力トレーニングを行いましょう。
ストレッチ
- 床に座って可能な範囲で脚を広げる
- 足の親指を内側に倒して床に近づける
- 今度は小指側に対して床に近づける
- これを1日5~6回2~3セット行う
筋力トレーニング
- 足を肩幅に広げて立つ
- 両手を頭の後ろで組み、腰をゆっくり落としていきましょう。このとき、息を止めないようにする
- 膝を曲げたまま1秒キープし、元の状態にゆっくり戻る
- これを20~50回くり返すのですが、症状や年齢、体力に合わせて調節する
ストレッチや筋力トレーニングの方法を間違えると、かえって股関節に負担をかけてしまいます。
正しい方法を心がけましょう。
まとめ
股関節が痛くて歩けないといった場合は、変形性股関節症や関節リウマチなどの病気の可能性があります。
原因は単なる加齢ではなく、自宅でのケアだけでは改善が期待できません。
股関節の痛みが現れた場合は、まず医師の診断を受けることが大切です。
必要だと医師が判断した治療をしっかり受けて、アドバイスに従って過ごすようにしましょう。
筋力トレーニングやストレッチは、筋肉を鍛えて股関節痛を抑えるのに役立ちます。
ただし、間違った方法では股関節に大きな負担をかけてしまうため、正しい方法で行わなければなりません。
股関節痛は、日常生活に支障をきたします。
悪化すると安静時にも痛みが起こるようになるため、そうなる前に適切に対処していきましょう。
監修専門家プロフィール
みやざわ整骨院院長 宮澤大助
東京都大田区池上でみやざわ整骨院を開業。ゴルフ、野球、サッカー、相撲、マラソン、水泳の多種分野のアスリートが主に来院。数多くのトップアスリートを治療し、コンディショントレーニングをサポート。代替医療分野で「東久邇宮記念賞」を受賞。
http://www.tgc-d.com/miyazawa.html
記事の参考URL
http://www.stryker.co.jp/health/hip-oa/
http://www.jinko-kansetsu.com/ask/160/index.html
医療・美容ライター。これまでの執筆本数は9,000本以上に昇る。正確でわかりやすい記事が医師からも好評。
ムダ毛や体臭などのお悩み解決記事から疾患の説明記事まで幅広く執筆。
正しい知識を広めるために、医療・美容の情報をわかりやすくお伝えします。
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