中高年女性が悩む変形性股関節症の原因と痛みのやわらげ方
中高年女性は、足の付け根のあたりに痛みを感じたり動きが悪くなったりすることがあります。
これは、変形性股関節症というトラブルが原因かもしれません。
変形性股関節症になると、歩行や何気ない動作に支障をきたすこともあるため、改善と予防を心がけることが大切です。
また、変形性股関節症に似た症状の病気もあるため、念のために医師の診察を受けた方がいいでしょう。
日本人の場合は、股関節に関する症状の原因の多くが変形性股関節症といわれており、医師のアドバイスに従って治療を受ける必要があります。
悪化すると歩行できなくなるケースもあるため、早めの診断と治療が重要です。
自宅では、少しでも痛みをやわらげられるように対策しましょう。
それでは、変形性股関節症の原因と痛みのやわらげ方についてご紹介します。
中高年の女性が悩む変形性股関節症とは
中高年女性が悩みやすい変形性股関節症は、年齢を重ねるにつれてリスクが上がります。
変形性股関節症は、関節と関節の間にあるクッションともいえる軟骨がすり減り、炎症を起こすことで痛みや動きにくさを感じるトラブルです。
初期症状は、腰痛や膝痛、腰周りの神経痛などです。
起き上がりや立ち上がり、歩行などの動作の際に太ももの前や横が痛むこともあります。
動く度に痛みを感じることが特徴で、放置すると次第に股関節の周りの筋肉が硬くなり、動きが悪くなっていきます。
さらに進行すると、関節が音を立てたり安静時に痛みを感じたりするようになるため、できるだけ早く対処が必要です。
関節の変形は、約2年で起こるとされており、3~4mmほどの軟骨が1~2年かけて失われていきます。
安静に過ごすことで軟骨のすり減りを抑えられますが、日常生活で身体を動かすことになるため、どうしても進行してしまいます。
また、運動やストレッチ、筋力トレーニングなどをすることで、さらに軟骨がすり減りやすくなり、変形性股関節症の悪化を招きます。
変形性股関節症になる原因
変形性股関節症は、多くの場合「臼蓋(きゅうがい)形成不全」という症状が原因とされています。
臼蓋は、骨盤と大腿骨の先端部分を納めることで関節を繋いでいる部分です。
臼蓋が小さすぎると、摩擦によって大腿骨側の軟骨がすり減ります。
その結果、股関節が変形して炎症が起こり、痛みや動かしにくさなどを感じるようになるのです。
臼蓋形成不全に気づくことは難しく、変形性股関節症と診断されて初めて知ることがほとんど。
また、若いうちは腰周りの筋肉が衰えていないため、股関節への負担を抑えられます。
しかし、体重が重くなったり、加齢や運動不足で腰周りの筋肉が衰えたりすると、股関節への負担が大きくなり、変形性股関節症のリスクが高まるのです。
そのため、ある程度の年齢になってから変形性股関節症の症状が現れます。
専門医の診察を受けることで、大体いつぐらいに症状が現れ始めるか予測できる場合があります。
少しでも症状が現れるのを遅らせるために、対策していくことが大切です。
股関節に負担をかけないよう「重いものを頻繁に持たない」「筋肉をつける」など、できる範囲で対策しましょう。
変形性股関節症にならないための日常生活の注意点
股関節への負担を抑えるために、筋力トレーニングやストレッチを行いましょう。
ストレッチや筋力トレーニングの方法をご紹介します。
ストレッチ
- 床に座った状態で可能な範囲で脚を広げる
- 足の親指側を内側に曲げて床に近づける
- 次は小指側へ倒して床に近づける
- これを5~6回繰り返すのを1日2~3回行う
筋力トレーニング
- 足を肩幅に開いて立ち、足先を外側に少しだけ開く
- 両手を頭の後ろで組み、正面を向いて重心を落としていく
- 膝を曲げたまま1秒キープし、ゆっくり元の状態に戻る
- 体力や年齢に応じて20~50回の範囲で行う
また、体重が増えると股関節への負担が大きくなるため、必要に応じて減量することが大切です。
同時に、体重を増やさないように適切なカロリー摂取を心がけましょう。
消費カロリーよりも摂取カロリーの方が多いと、脂肪が蓄積されていきます。
運動量や筋肉量などに合わせて摂取カロリーを決めましょう。
減量が難しい中高年の方は、マッサージで血流を促し、代謝を高めることを心がけることが大切です。
マッサージの際には、エミューオイルを使いましょう。
なじみがよく、肌の状態を整えてくれます。
また、炎症を抑える働きも期待できるため、運動後のケアにも役立ちます。
まとめ
中高年の股関節痛は、多くが変形性股関節症による症状とされています。
特別、股関節に負担がかかる動作をしたことが原因ではなく、生まれつき臼蓋という部分が骨の先端よりも小さく、骨盤と脚の関節の軟骨がすり減ることで引き起こされます。
若いうちは、筋肉によるサポートを受けているため、急激に軟骨がすり減るようなことはありません。
しかし、加齢や運動不足で筋肉が衰えると、変形性股関節症のリスクが高まるのです。
ストレッチや筋力トレーニングで筋肉を増やすと同時に、股関節への負担を軽減するために適正体重を保つようにしましょう。
減量が難しい方は、エミューオイルを使ったマッサージを習慣づけて、血流ケアをすることが大切です。
変形性股関節症は、日常生活に支障をきたすリスクもあるため、普段からケアをして改善・予防を心がけましょう。
監修専門家プロフィール
みやざわ整骨院院長 宮澤大助
東京都大田区池上でみやざわ整骨院を開業。ゴルフ、野球、サッカー、相撲、マラソン、水泳の多種分野のアスリートが主に来院。数多くのトップアスリートを治療し、コンディショントレーニングをサポート。代替医療分野で「東久邇宮記念賞」を受賞。
http://www.tgc-d.com/miyazawa.html
記事の参考URL
http://www.jinko-kansetsu.com/ask/19/index.html
https://style.nikkei.com/article/DGXKZO04027030U6A620C1TZQ001?channel=DF130120166089
医療・美容ライター。これまでの執筆本数は9,000本以上に昇る。正確でわかりやすい記事が医師からも好評。
ムダ毛や体臭などのお悩み解決記事から疾患の説明記事まで幅広く執筆。
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