その耳鳴りの原因は「肩こり」かも!肩と耳を両方治す方法
耳鳴りとは、実際には外界からの音がないにもかかわらず、なんらかの音が聞こえるような感じがする症状のことです。
音がないのにどうして耳鳴りがするのか、その正確な理由はまだはっきりとは分かっていません。
医療機関で検査をしても異常が発見されないことは珍しくないのです。
しかし人口のおよそ20~30%が耳鳴りを経験しているというデータもあり、耳鳴りに悩まされている人は多数にのぼっています。
そして耳鳴りに悩んでいる人の多くに、首や肩に強い「こり」があることが知られています。
ここでは肩こりを原因とする症状と、それを解決するためのストレッチについてご紹介していきます。
肩こりが原因で耳鳴りがする理由
普段なにげなく口にしている肩こりですが、肩こり自体には正確な定義がありません。
現代の生活においては、日常的な姿勢の悪さやストレス、長時間のデスクワークによる眼精疲労など、肩こりの発生要因は多岐にわたっており、それだけに多くの人が肩こり患者となっています。
肩こりとは、主に首や肩などの筋肉が緊張することで、その部分が張った感じや痛みを感じる状態のことをいいます。
その結果、筋肉中の血管が収縮して血流が悪化し、老廃物がたまるため、細くなってしまった血管の中を十分な酸素が運ばれなくなってしまいます。
筋肉が酸素欠如になると、痛みのもととなる物質が生まれ、肩こりとなって痛みを感じるようになるのです。
首や肩がこると、内耳の中にある平衡感覚をコントロールする器官も血行が悪くなります。
その結果、平衡感覚が狂ってしまい、耳鳴りを引き起こすといわれています。
また、自律神経の不調により、首の神経や骨、筋肉の緊張が起こり、それが耳の機能に影響するため耳鳴りが発生するという考えもあります。
そのほか、精神的な緊張やストレスを強く感じている人は肩こりを起こしていることが多く、メンタルの不調が遠因となって耳鳴りを発症している場合もあるようです。
肩こりが元になって起こる耳鳴り以外の症状
肩こりが原因で起こる不調は耳鳴りだけではありません。
頭痛やめまい、眼精疲労はよく知られているところですが、そのほかにも、動悸、だるさ、睡眠障害、腕や手足のしびれ・冷えなど、多岐にわたる症状が併発することが判明しています。
肩こりは「肩の痛み」というだけではなく、全身症状につながることもあるので、軽視することはできません。
そして肩こりは、深刻な病気のサインである可能性もあります。
例えば心筋梗塞や狭心症などの心臓疾患がある場合には、左側の肩に痛みが出るので要注意です。
そのほか代表的なものでは、更年期障害、緊張性頭痛、血圧異常などの病気が隠れていることがあります。
病院によっては肩こり外来という診療科もありますので、心配なときには早めの受診をおすすめします。
肩こりと関連する不調を解消するためには、ぬるめのお湯に浸かる入浴方法が効果的です。
血行がよくなり、精神的にもゆったりとすることで心身ともにリラックスするのが目的です。
シャワーを使って、熱めのお湯と冷たすぎない水を交互に肩にかけることも、血行促進につながります。
この方法を行うときは、最後には熱いお湯をかけて終わるようにします。
また、さすったり軽く押したりといった適度な刺激のマッサージも有効です。
マッサージの際は筋肉に負担をかけないよう、痛みを感じない程度で行うことを注意してください。
問題を解決するためのストレッチ
肩こりを原因とする耳鳴りや他の症状を緩和するために、効果があると注目されているのが「肩甲骨はがしストレッチ」です。
肩や首がこると猫背になりやすく、肩を覆う肩甲骨が横に広がってしまいます。
また精神的なストレスがたまると肩が内側に入る傾向があり、胸が閉じ肩甲骨が広がります。
肩甲骨周辺のこうした歪みが固まってくると肩周りが動きにくなり、背中に肩甲骨が張りついた状態になるのです。
この状態を無理なくほぐすのが「肩甲骨はがしストレッチ」です。
このストレッチでは肩甲骨の周囲の筋肉をほぐし、緊張感をゆるめることで肩こりの症状を和らげます。
詳しいやり方は以下の動画をご覧ください。
【動画】座って行う肩甲骨はがし
ストレッチを行う際は呼吸が大切になってきますので、動画を見ながら呼吸のタイミングも覚えるようにしましょう。
肩こりのひどい人、歪みの大きい人は、最初はうまく肩が動かないかもしれませんが、焦らず無理なく、自分に合ったペースでゆっくりと行うようにしてください。
ストレッチは急に効果が現れるものではありません。
毎日、身体がリラックスしている寝る前や朝起きたときなどに、継続して行うようにしましょう。
まとめ
肩こりを起因とする様々な症状のなかでも、耳鳴りは精神的にも肉体的にもストレスを引き起こします。
そのストレスがさらに肩こりをひどくするという悪循環に陥らないうちに、生活の改善やストレッチなどを導入して、早めのケアをしたいものです。
ただし、耳鳴りは背後に潜んでいる病気の可能性もあり、その原因についてもまだわかっていないことも多い疾患です。
ストレッチをしても効果がない、気分が悪くなる、耳鳴りが悪化したというような場合はセルフケアを中断して、専門医療機関を受診するようにしてください。
耳鳴りは本人の自覚症状でしか診断できない症状です。
診察においても自分の感覚が一番の情報源となるだけに、慎重に向き合うように努めましょう。
監修専門家プロフィール
みやざわ整骨院院長 宮澤大助
東京都大田区池上でみやざわ整骨院を開業。ゴルフ、野球、サッカー、相撲、マラソン、水泳の多種分野のアスリートが主に来院。数多くのトップアスリートを治療し、コンディショントレーニングをサポート。代替医療分野で「東久邇宮記念賞」を受賞。
http://www.tgc-d.com/miyazawa.html
記事の参考URL
http://news.livedoor.com/article/detail/12775721/
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170112-OYTET50047/
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000558.html
https://health.goo.ne.jp/medical/10B10300
http://www.kawasaki-m.ac.jp/orthop/shoulders.html
https://www.huffingtonpost.jp/coffeedoctors/sick–stiff-shoulders_b_7310870.html
40代フリーライター。
DTPデザイナー、雑誌編集ライター、博物館広報の職を経て、フリーライターに。
主に、健康、美容、ファッションのジャンルで記事執筆中。
得意なテーマはアンチエイジング。
見た目だけではなく、こころとからだの両面から生まれる若々しさを重要視している。
自身もコスメオタク、サプリオタクであり、気になる製品はまず自分で試してみる主義。
読書が趣味で、尊敬する作家は数多くいるが、なかでも影響を受けたのは山口瞳氏。
好きなスポーツはフィギュアスケート。
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