筋肉痛の原因は「循環不全」と「筋繊維の損傷」
運動後に訪れる、つらい筋肉痛。
痛みがひどいと、階段の上り下りはおろか、ふつうに歩くことすらままならないこともありますよね。
筋肉痛が怖いから運動をしたくないと思えるほど、筋肉痛による痛みは苦しいものです。
運動前に入念にストレッチをしても効果がなく、回復するまでのしばらくの間、湿布を貼ってやり過ごす……こうした対処法を取っている方が多いのではないでしょうか。
「筋肉痛」という言葉はよく耳にするため知らない方はほぼいないでしょう。
では、具体的に「筋肉痛」が起こる原因やシステムについてはご存じでしょうか。
筋肉痛が起こる原因は、大きく分けて2つです。
このページでは、筋肉痛が起こる2パターンのメカニズムと、できる限り筋肉痛を軽度に済ませるための方法についてご紹介します。
循環不全による筋肉痛の仕組み
1つ目の原因は、「循環不全」によるものです。
循環とは、血液の循環、「血流」を指します。
私たちの体は、血液が循環することで体中に酸素を行き渡らせ、老廃物を回収しています。
しかし、運動後の体は一時的に脱水症状を起こしているため、体内水分が減少。
血液もドロドロになり、運動前よりも血行が悪化してしまいます。
その結果、血行が悪化し、筋組織は酸素不足に。
また、排出された老廃物もスムーズに回収されないため、蓄積されてしまいます。
代謝物が溜まっている部分の筋肉は、それが障害物になってしまうため、スムーズに収縮と弛緩(しかん)ができなくなります。
その結果、その部位が凝って固まった状態になってしまうのです。
また、代謝物自体が刺激となり、痛みの原因にもなっています。
循環不全が原因となる筋肉痛は、水分不足が発端のため、運動時のみに起こるものではありません。
夏場など、脱水症状を起こしやすい環境下では、運動をしていないにも関わらず、まるで筋肉痛のような痛みが身体のあちこちに生じることがあるのです。
筋繊維の損傷による筋肉痛の仕組み
筋肉痛を引き起こすもうひとつの原因が、「筋繊維の損傷」です。
ふだん使っていない筋肉を急に使ったり、ふだん以上に筋繊維に強い負荷がかかる運動を行ったりすると、筋繊維に傷がついてしまいます。
損傷した筋繊維の周囲には、損傷した細胞を修復するために、白血球やリンパ球が集まります。
その結果、起こるのが炎症反応です。
炎症が起きると、その部位にはブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンといった刺激物質が生成されます。
それらの刺激物質が筋肉痛の痛みを引き起こす原因になっているのです。
筋肉痛は、運動直後に起こるのではなく、一定時間をおいてから感じるものですよね。
なぜなら、刺激物質が発生してすぐには痛みを感じないからです。
筋繊維自体には、痛みを感じる神経が通っていません。
痛みを感じるのは、筋繊維を包んでいる筋膜に刺激物質が届いてから。
その時差が、筋肉痛が引き起こるまでのタイムラグになっているのです。
アスリートなど、運動を習慣的に行っている人たちが頻繁に筋肉痛を起こさないのは、筋繊維は鍛えることでだんだん強くなるからです。
軽い負荷を感じる筋トレから開始することで、ひどい筋肉痛を起こしにくくなるでしょう。
炎症の抑制・血行の促進をするには?
筋肉痛の原因は、「循環が悪くなること」と「炎症物質の発生」です。
そのため、筋肉痛の予防や軽減のためには、適切な水分補給と血行の改善、炎症の抑制が効果的だといえます。
まず、簡単にできる対処法としては運動前後のこまめな水分補給が挙げられます。
のどが渇いていなくても、意識的に水分を摂るようにしましょう。
そのほか、運動前後のストレッチを入念に行い、あらかじめ血流を良くしておくことも効果的です。
マッサージやストレッチを行う際に、役立つものがマッサージ用オイル。
特におすすめなものが、オーストラリア原産の鳥・エミューの皮下脂肪から抽出して作られた「エミューオイル」です。
エミューオイルには血行改善効果があり、オーストラリアの先住民アボリジニたちにも万能薬として使われてきました。
肌への浸透力も高いため、素手のみでマッサージを行うよりも、より一層血行の改善が期待できるでしょう。
もうひとつの原因、炎症の抑制効果を期待したい場合も、エミューオイルが有効です。
エミューオイルには炎症を抑える作用をもつ成分が含まれているため、炎症物質が筋膜に届くまでに、炎症物質の生成を少しでも抑えられるでしょう。
まとめ
エミューオイルは、プロのアスリートやスポーツトレーナーにも愛用されている、効果に信頼がおけるオイルです。
赤ちゃんから使える自然素材のオイルのため、アトピー性皮膚炎や敏感肌の人でも安心して使える商品で筋肉痛の予防や回復のサポートになるでしょう。
また、スキンケア用品としても使えるため、日頃あまり運動をしない人でも、使うシーンがなく無駄にしてしまうこともありません。
もちろん、日頃の筋トレや水分補給、スポーツ前後のストレッチや湯船に浸かるなどの対策も有効です。
必要時には湿布薬を用いてもよいでしょう。
さまざまな対処法を組み合わせ、「歩けないほどつらい」ひどい筋肉痛を引き起こさないように意識していきたいものですね。
監修専門家プロフィール
みやざわ整骨院院長 宮澤大助
東京都大田区池上でみやざわ整骨院を開業。ゴルフ、野球、サッカー、相撲、マラソン、水泳の多種分野のアスリートが主に来院。数多くのトップアスリートを治療し、コンディショントレーニングをサポート。代替医療分野で「東久邇宮記念賞」を受賞。
http://www.tgc-d.com/miyazawa.html
記事の参考URL
https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/ns/nou_sin/ud49g7000000juip.html
https://oto-ken.jp/blog/Summer_bathes_muscle_pain_emu_oil
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/39_kinnikutsu/
さいたま市在住。幼少期からの「書くことが好き」が講じてフリーライターに。
コラム記事から店舗・病院・企業への取材・インタビュー記事まで幅広く執筆している。
販売員をしていたインテリア雑貨店で扱っていた、日常をちょっぴり楽しくさせる入浴剤・アロマ・ケア用品が好き。
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