膝が痛いときに疑う病気|変形性膝関節症の症状と引き起こす原因
中高年が体に関して悩む代表的なものが、「膝が痛い」ことではないでしょうか。
歩き始めや立ち上がる際の動作に痛みを感じ始めるところから始まり、症状が進行すると、ふつうに歩くことすら困難になってしまう人もいます。
そうなると、歩くことすらおっくうになってしまいますよね。
膝の痛みが症状として表れるものには、複数の原因・病気がありますが、そのなかでも特に多くの人が抱えている病気が「変形性膝関節症」です。
ひどくなると曲げ伸ばしが困難になり、安静にしていても痛みを感じるようになってしまう人もいます。
一体、変形性膝関節症とは、どのようなものなのでしょうか。
このページでは、変形性膝関節症の症状や原因、痛みをやわらげる方法についてご紹介いたします。
膝の痛みにお悩みの方は、ご参考になさってくださいね。
変形性膝関節症の代表的な症状
変形性膝関節症は、高齢者になるにつれ患者数が増える傾向で、膝が痛むことが特徴の疾患です。
男女比率は1:4で女性に多いことが特徴です。
代表的な症状は「痛み」と「水がたまること」。
この水は炎症が起きている証なのです。
初期症状では、まず立ち上がったり歩き始めたりするなど、動作のスタート時に痛みを感じるようになります。
その後、痛みはやわらぐため、日常生活において、この時点ではまだそれほど大きな影響はありません。
しかし、その後は正座が困難になるほか、階段の上り下りに苦痛を感じるようになります。
症状がさらに進行して末期になると、痛みがさらに強まり、何もしていない状態でも常に痛むという人も。
また、膝の変形が目立ち始め、膝が伸ばせなくなることにより、歩けなくなってしまうこともあるのです。
歩くと痛みが生じることにより、歩くことを避け始め、運動不足になってしまう人も少なくありません。
なお、近年増えている中高年ランナーの膝の痛みも、その原因の多くが変形性膝関節症です。
人によってはウォーキング程度の運動で痛みを感じ始めるケースもあります。
変形性膝関節症になってしまう原因
変形性膝関節症の原因として挙げられる代表的なものは、膝関節内にある軟骨の老化です。
加齢により、関節軟骨が弾力性を失ってしまったり、長年のダメージが蓄積したりすることですり減ってしまいます。
軟骨の生成や修復をするためには、体内に含まれているグルコサミンが必要ですが、グルコサミンも加齢にしたがい減少傾向となるのです。
そのため、痛みが生じやすくなってしまうのですね。
引き起こす要因としては、肥満や遺伝子のほか、骨折や靱帯・半月板の損傷といった外傷が挙げられます。
また、化膿性関節炎など、感染症の後遺症により発症することも。
中高年ランナーに変形性膝関節症が多いのは、すでに軟骨がすり減ってきているところにさらにダメージを加えてしまうためだといえるでしょう。
女性では、肥満によりさらに膝に負荷を加えてしまっているケースも多く見られます。
痛みを避けたいがために運動を控えるようになり、さらに肥満度が上がり、膝の痛みも悪化するという悪循環。
このような悪循環に陥ってしまうケースも少なくありません。
ひどくなると日常歩行に支障が生じるため、整形外科での検査を受け、必要な治療を受けることも大切です。
変形性膝関節症の痛みをやわらげるには
変形性膝関節症は、自分で発症・悪化を予防することも可能です。
肥満であればダイエットをすることは基本。
そのほか、日常生活を送るなかで実践できる対策もあります。
正座を避け、「いすに座る生活に切り替える」「お手洗いは洋式トイレを使用する」といった簡単な習慣の変更も痛みをやわらげるのに役立ちます。
また、冷えは痛みの大敵です。
クーラーなどで冷やさないようにし、夏場でも膝掛けを使用するなど、温めて血行をよくすることを心がけましょう。
運動面では、ふとももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることがおすすめです。
仰向けに寝転がった状態で片足の膝を立て、もう片方の足を10cm程度持ち上げてキープしてみましょう。
いすに座った状態では、片足を床から浮かして5秒間キープする方法もおすすめです。
病院での治療方法は、症状の程度によって異なります。
軽度の場合は、痛み止めの内服薬・外用薬を使用し、必要に応じて膝関節内にヒアルロン酸の注射を打つこともあります。
膝を温めるものや、筋力を上げる治療法がとられることも。
どうしても改善されない場合、外科的手術が検討されます。
骨を切って矯正するほか、人工膝関節を導入する方法もあります。
まとめ
多くの中高年が悩む「膝の痛み」。
その多くが「変形性膝関節症」です。
自力歩行が困難になることは、その他の健康面にも影響を与えます。
加齢により軟骨のすり減りなどあらがえない部分もありますが、ふだんから気をつけられる点は意識しておきたいものですね。
状態が悪く、痛みが強い・常に感じられるといった場合は、病院での診断・治療を受けてみましょう。
変形性膝関節症はレントゲン検査によりすぐに判明する疾患です。
早期に診断されれば、治療もその分早く始められるもの。
早く治療を開始することで、その後の悪化速度を抑えることもできるでしょう。
できる限り長い間、快適に歩ける生活を送りたいものです。
今回ご紹介した内容を参考にし、予防や悪化の防止に努めていきましょう。
監修専門家プロフィール
みやざわ整骨院院長 宮澤大助
東京都大田区池上でみやざわ整骨院を開業。ゴルフ、野球、サッカー、相撲、マラソン、水泳の多種分野のアスリートが主に来院。数多くのトップアスリートを治療し、コンディショントレーニングをサポート。代替医療分野で「東久邇宮記念賞」を受賞。
http://www.tgc-d.com/miyazawa.html
記事の参考URL
http://www.jinko-kansetsu.com/pain/knee/diseases.html
https://kenka2.com/articles/83
http://www.joa.or.jp/public/sick/condition/knee_osteoarthritis.html
http://www.jinko-kansetsu.com/pain/knee/diseases.html
さいたま市在住。幼少期からの「書くことが好き」が講じてフリーライターに。
コラム記事から店舗・病院・企業への取材・インタビュー記事まで幅広く執筆している。
販売員をしていたインテリア雑貨店で扱っていた、日常をちょっぴり楽しくさせる入浴剤・アロマ・ケア用品が好き。
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