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足の付け根の痛み、もしかしたら股関節の病気かも?症状と原因を知ろう

足の付け根の痛み、もしかしたら股関節の病気かも?症状と原因を知ろう

足の付け根は、立ったり座ったりする動作のときに負荷がかかるため、痛みが現れることがあります。

仕事上、立ったり座ったりすることが多い方は、足の付け根の痛みを感じたことが一度はあるのではないでしょうか。

 

一時的に痛むだけであれば、関節や筋肉の疲労が原因と考えられますが、動かすたびに痛みが生じたり、動かしにくくなったりした場合は、できるだけ早く医療機関を受診した方がいいでしょう。

足の付け根に痛みを伴う何らかの病気の可能性があります。

放置すると症状が悪化して、将来的に歩行困難になる恐れもあるため、放置しないことが大切です。

 

足の付け根の痛みを伴う病気はさまざまですが、中でも変形性股関節症、臼蓋形成不全、鼠経ヘルニアに注意が必要です。

ここでは、足の付け根を伴う病気の症状や原因について、詳しくご紹介します。

 

足の付け根に痛みがある病気①変形性股関節症

変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ることで、関節が変形する病気です。

初期症状は、足の付け根だけではなく、お尻や膝の上部などにこわばりや重苦しい感じが現れます。

立ち上がったときや歩き始めたときなどに痛みが起こりやすいことが特徴です。

変形性股関節症が進行すると、痛みが強くなる傾向があります。

場合によっては、安静時にも昼夜を問わず痛むようになり、生活に支障をきたしてしまいます。

 

和式トイレを使ったり正座したりすることが難しくなるほか、足の爪を切ったり靴下をはいたりすることにも支障をきたします。

また、車の乗り降りにも手すりが必要になる場合もあるため、できるだけ早く改善したいところでしょう。

多くの場合、先天性股関節脱臼が起きており、その影響で大人になってから変形性股関節症になるとされています。

 

また、特に明らかな原因なく加齢とともに変形性股関節症を発症しやすくなることが増加傾向です。

診断には、レントゲン撮影が必要であるため、症状だけで判断はできません。

足の付け根の痛みが現れたら、医療機関を受診し、専門医の診断を受けましょう。

 

足の付け根に痛みがある病気②臼蓋形成不全

Pain at the base of the foot

臼蓋形成不全の「臼蓋(きゅうがい)」とは、骨盤と大腿骨のつなぎ目にある大腿骨の骨頭を収める部分です。

大腿骨の骨頭は丸い形をしており、臼蓋はそれを覆うような形になっています。

臼蓋形成不全は、臼蓋が浅くて狭いために、大腿骨の骨頭をしっかり収めて荷重を分散させることができません。

そのため、臼蓋と骨頭の部分にある軟骨がすり減っていき、足の付け根が痛むなどの症状が現れるのです。

そのまま放置すると、変形性股関節症になるリスクもあるため、できるだけ早く治療が必要です。

 

痛みとうまく付き合うために、痛み止めなどを使用するほか、関節への負担を減らすためにダイエットしたり、運動で股関節の周りの筋肉を鍛えたりするのが良いでしょう。

また、根本的な治療には臼蓋の骨を切ったり付け足したりする手術が必要です。

進行した場合は、人工股関節置換術が検討されますが、手術の技術の進歩により、身体への負担も少なくなってきています。

 

臼蓋形成不全は、女性、逆子、家族に臼蓋形成不全の患者がいることなどがリスク要因となります。

足の付け根に痛みが起きた場合は、早めに医師の診察を受けましょう。

 

足の付け根に痛みがある病気③鼠径ヘルニア

鼠径(そけい)ヘルニアは脱腸とも呼ばれ、内臓を保護する腹膜や腸の一部が飛び出してしまった状態です。

鼠径部のどの部分からヘルニアが起きているのかによって、外鼠経ヘルニア、内鼠経ヘルニア、大腿ヘルニアに分類されます。

 

鼠経ヘルニアでは、足の付け根が痛むだけではなく、腫れを伴います。

立っているときには膨らみや違和感がみられ、横になると症状がなくなることもあります。

これは、横になることで腹膜や腸の一部がお腹の中に戻るためです。

 

鼠経ヘルニアを放置すると、腫れている部分を手で押しても腹膜や腸を押し戻すことができず、痛みも強くなっていきます。

主な原因は、加齢によって筋肉や筋膜が衰え、内臓や組織を支えられなくなることです。

加齢を防ぐことはできないため、効果的な予防法はありません。

 

目で見たり手で触ったりすることで診断できます。

ただし、リンパ節の炎症や精索水腫などでも痛みや腫れを伴うため、診断のために必要に応じて超音波検査を行うことがあります。

また、治療には基本的に手術が必要です。

セルフケアで状態を改善することはできないため、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

 

まとめ

足の付け根の痛みは、立ったり座ったりする動作が多い方によくみられます。

しかし、いつものことだからと思い放置すると、痛みやこわばりなどの症状が強くなる可能性があります。

変形性股関節症や臼蓋形成不全、鼠経ヘルニアなども疑われるため、早めに医療機関を受診しましょう。

病気によっては、運動で筋肉を鍛えたりダイエットで肥満を解消したりすることで、症状を和らげられます。

 

しかし、無理に動くことで症状が悪化するケースもあるため、自己判断でケアしないことが大切です。

足の付け根の痛みが慢性化している方も、一度医師の診察を受けた方がいいでしょう。

思ってもいなかった原因が見つかる可能性があります。

適切な治療を受けることで、将来的に足の付け根の痛みを解消できると考えられるため、医師の指示に従って行動しましょう。

監修専門家プロフィール


 みやざわ整骨院院長 宮澤大助

東京都大田区池上でみやざわ整骨院を開業。ゴルフ、野球、サッカー、相撲、マラソン、水泳の多種分野のアスリートが主に来院。数多くのトップアスリートを治療し、コンディショントレーニングをサポート。代替医療分野で「東久邇宮記念賞」を受賞。

http://www.tgc-d.com/miyazawa.html


 

記事の参考URL

https://medicalnote.jp/symptoms/%E8%B6%B3%E3%81%AE%E4%BB%98%E3%81%91%E6%A0%B9%E3%81%8C%E7%97%9B%E3%81%84

http://kansetsu-life.com/comm_rept/3_29.html

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https://medicalnote.jp/diseases/%E9%BC%A0%E5%BE%84%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%82%A2